図書館を最大の友人に

大塚 望(文学部講師)

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。希望を胸いっぱいにふくらませ、創価大学の門をくぐられたことでしょう。

 ぜひ、皆さんには図書館を最大の友人にしてもらいたいと思います。私は創大の図書館が大好きで、学生時代は暇さえあれば足を運びました。図書館の楽しみ方はいろいろとあります。まず、図書館は環境がいい。寒くも暑くもないうえに、明るくて、静かで、非常に快適な空間です。特に創大の図書館は、座席が多く(こんなに多いのも珍しい)座って長時間、勉強したり、本を読んだり、考え事をしたりできます。頭の中を整理するには図書館はうってつけの場所です。

 

次に、何といっても、図書館は宝の山です。私は皆さんに宝探しをしてもらいたいと思います。何が宝物になるかは、自分自身が見つけて決めるものですが、その探検に出かけてみてほしいのです。たとえば、心の栄養になるような感動的な本、現実を鋭く抉った考えさせられるような本、自分の夢を実現させてくれるような本、世界のすばらしさを教えてくれるような本など、それらは、自分の中にある未知のものを引き出してくれるかもしれません。特に創大の図書館は、「品揃え」が豊富です。大学の図書館は専門書ばかり並んでいて、なかなか一般書や新刊書などは見当たらないことが多いのですが、創大は本当に何でもそろっていて、読みたい本が読めるという魅力があります。様々な本を読むことは人間の幅を広げるものです。いい本か、悪い本か、わかるようになりますし、おそらく、いい人間か、悪い人間か、ということもまたわかるようになるのが読書だと思います。

 

さらに、これは現実的な問題ですが、大学での勉学を支えるのはこの図書館だということです。図書館と仲のいい人は、レポートを書くのもきっとお手の物でしょうし、宿題をするにも、試験勉強をするにも、きっと上手にやりぬくことができるでしょう。なぜなら、大学の勉強は自分で調べて考察するというのが基本になるからです。これまでの研究や調査を踏まえないレポートは単なる作文に過ぎません。作文をレポートにするのが図書館です。そういういみでは、大学生にとって図書館は大学の中で最も出入りすべき、出入りするといいことがある場所なんです。

 他に、創大の図書館では、学生さんが使いやすいようにと様々な工夫をしてくれています。一度図書館のHPを見てみてください。本棚に並んでいる本だけでなく、様々なデータも利用できますし、検索の仕方がわからない、どうやって調べたらいいかわからないといったこともサポートしてくれています。至れり尽くせりの図書館です。

 

最後に、創大の図書館の最もすばらしいところは、やはり創立者の書籍を手にとって読むことができるという点でしょう。創立者が若い頃より集められ、読まれた書籍が「池田文庫」として、書庫の7階にびっしりと並んでいます。創立者自身の若き日のメモが鉛筆書きでされていることもあります。このような貴重な書籍を創立者が寄贈してくださり、また図書館が開放しているということは、いかに学生さんを大切に思っているかうかがえることだと思います。創立者のことばに「良書に親しむことは、一生の財産です。人間が原点です。読書が人間らしい人間をつくるのです。」とあります。さあ、皆さんも大学の図書館に出かけてみて、自分のお気に入りの席をみつけ、宝の山をかきわけ、最高の宝物をその手につかんでもらいたいと思います。