Soka Book Wave 2006 ベストリーダー賞受賞者より
この度、SBW2006では、2006年4月~9月末までに感想カードを提出していただいた方の中から、図書を多く読まれた方、優れた感想文を書かれた方を厳正に審査させていただき、創大祭の前夜祭で、授賞式を行なわせていただきました。その代表者の声をご紹介します。なお、受賞の種類と意義は下記のとおりです。
· ヴィクトル・ユゴー賞:文学の革命児たらん!とのユゴーの生き方に共感。
· ウォルト・ホイットマン賞:最高の詩人。言葉を駆使し生命の脈動を表したホイットマンの精神性を尊び。
· レフ・トルストイ賞:「戦争と平和」を執筆する際、大量の本を読んだとされることに因み。
【ヴィクトル・ユゴー賞】
西岡 英明(教育学科4年)
大学に入って、多くの時間を人と共にするようになりました。時間を「共有している」と思えば、何か協同作業のようで楽しいのですが、一面的に見れば、相手の貴重な時間を「奪っている」とも考えられます。ある時、ふと「もし、相手の人に『お前と話すよりも、もっと他のことをしていた方が良かった』などと思わせてしまったら、すごく嫌だなぁ」と感じ、妙に不安になったことがありました。もちろん、実際には僕の周りにそんなことを言う人はいません。皆、良い人ばかりです。ただ、彼らに貢献しゆく力が、自分にはあまりにも足りないと思ったのです。
それ以来、「もっと魅力的な人間になろう。そして、縁する人との時間をより価値的で、充実したものにするためにも、もっと自分を磨いていこう」と考えるようになり、僕は読書に挑戦し始めました。
大学2年までまったくと言っていいほど本を読んでいなかった僕も、今では楽しく読書に取り組めるようになりました。
自身を鍛えることが必ずや周囲を高めていくことにもつながるのだと信じ、より一層の読書に励んでいこうと思います。
【ウォルト・ホイットマン賞】
中西 秀幸(法律学科4年)
読書は希望であり、思索であり、くつろぎであり、夢であり、闘いである。
私は読書によって様々な歴史上の偉人と対話する。
私は読書によって普段の生活から脱却し世界中を飛び回る。
私の愛読する本の中に山岡荘八が書いた「徳川家康」という本がある。一冊四百ページ以上で二十六巻にも及ぶ。この本の中では、ありとあらゆる登場人物がいる。傲慢な者、臆病な者、血の気の多い者、辛抱強いもの、欲に振り回されるもの、信念を貫く者。それら全てが自分であり、自分ではない。いかなる人間が歴史に名を残し、いかなる人間が人々から愛されるのか。またその反対もあるであろう。
これらの数多くの登場人物に触れることで「今の自分」そして「これからの自分」というものを日々考えさせられる。
創立者池田先生は読書についてこのように語っている。
「時代感覚を身につけよ!そして、あらゆるものを勉強していこう!」
勉強の方法はいろいろあり、またそこからは様々なことが発見できるであろう。ただ私がはっきり言えることは、読書は時代を読み取り、読書は先見性を身につけるということである。
創立者はまたこのようにおっしゃっている。
「一書をいくら深く掘り下げたとしても、また、多くの書を読破したとしても、生命の本質に迷い、生活と遊離するかぎり、すべて徒労に帰してしまう。」
読書は読書のための読書としてはいけない。全ては自身の生活の糧であり、人々を幸福へと導くための土台にしなければならない。忙しくてなかなか読書ができない、という人がいるかもしれない。本当にそうであろうか。寝る前の二十分は一ヶ月で十時間となる。十時間で私はアメリカ大陸を発見し、アレキサンダーと対話し、銀河系を一周することができる。
良書に触れた時、人々の生命は敏感に反応し、行動を起こす。悪書に触れた時、人々の心はみるみるねじ曲がっていく。この人生の基盤となる青春時代に多くの良書に触れ、何ものにも動ずることのない不動の生命を築いていく決意である。最後に読書のすばらしさ楽しさを教えて下さった、創立者池田先生と両親に最大の感謝をするとともに、最後に先生のお言葉を拝させていただきたい。
「色は金剛、心は英知と輝くを、人間革命という」
【レフ・トルストイ賞】
玉井 陽子(社会学科2年)
今回、トルストイ賞を受賞させていただき本当にありがとうございます。本当に私が頂いてもいいのかと思いましたが、このような機会もめったにないと思うので、有難く頂戴致しました。
トルストイ賞は数を多く読んだ学生ということでしたが、私はSoka Book Waveに参加した当初から、「数を多く読んでやろう!」と思っていたので、結果が出て良かったです。
私が、たくさん読書をしようと思ったきっかけは、創立者がおっしゃられている「卒業までに、一言語の習得と、500冊の読書」を実現しようと思ったからです。この話は女子寮生時代に加賀学生部長からお聞きしました。これを実現して卒業される方は、毎年数名しかいないそうです。私は、元々読書は好きな方でした。そして、部活には入っていなかったので、私は読書で創立者にお応えしていこうと決めました。
現在、2年生ですが、創大に入って読んだ本の数は142冊です。500冊を読みきるには、年間125冊のペースで読まないといけないので、まだ1年分をやっと読み終えたという感じですが、最後まで諦めずに500冊に挑戦し抜きたいと思います。ちなみに、一言語の方はハングルの習得を目指しています。
また、今回の賞の名前となった、トルストイの本を一度も読んだことがないので、是非読んでみたいと思います。
今回はこのような賞を受賞させて頂き、本当にありがとうございました。これからも、読書に励んでまいります。
菅原 由紀子(人文学科1年)
創立者・池田大作先生が「創大生は良書を五百冊読みなさい」とおっしゃっていることを知り、卒業時までに五百冊読もう、と私は目標を掲げました。その際にSBWのことを聞き、すぐに登録。全学読書運動に参加する中で、本を読み終わった後に自分がその内容についてあまり深く考えていないことに気付きました。感想カードを書くことは、本の内容について考える良い機会だったと思います。また、スタンプカードが埋まっていくのを見ると、こんなに読んだのだなぁという達成感を得ることができ、とても楽しく本を読むことができました。他の人の感想カードを読むのも楽しく、これがきっかけとなって色々なジャンルの本を読むようになり、読書の幅が広がりました。
SBWに参加して本当に良かったと思っています。
今回ベストリーダー賞を受賞することができ、目標達成に向けての意欲が益々高まりました。選んでいただき、感謝の思いでいっぱいです。本当にありがとうございました。
これからは良書を五百冊読むだけでなく、内容を深め、それをきちんと言葉にできるように努力していきたいです。