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今日の一書 : 2017年8月1日(火)

『 水のかたち 』

著者 : 宮本輝

本書は、五〇代になったばかりの主婦・能勢志乃子を主人公に、その日常に起きた出来事や人間関係が織り成す綾を丁寧に描いた長編小説である。志乃子は、東京の下町に夫と子供たちと共に暮らす、空想好きの人のよい主婦。そんな彼女がある日、閉店するという近所の古い喫茶店の女主人から、年代物の文机と茶碗、手文庫を貰い受けることに。その茶碗に三〇〇〇万円の価値があることが後で判明したり、同時に手に入れた手文庫には戦後北朝鮮から大変な苦難を越えて脱出した人物の手記が入っていたりと、穏やかだった志乃子の人生に思いがけない変化が生じる。緩やかな水の流れにさざ波が立つように──。
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