Soka Book Wave に参加して

 

徳光 伸孝(教育学部教育学科1年)

 

  私が、「読書」の大切さを強く感じるようになったのは、大学に入学してからである。それまでも「読書」は大切だと感じていたが、なかなか自分から読書に挑戦することはなかった。それは私が他の人よりも本を読むのが遅いということや、本を読む時間がないといった理由で、本を読むことを避けてきたからである。また、本を読み始めてもその苦手意識から、一冊の本を最後まで読みきることなく途中で挫折してしまっていた。そんな自分だったので、これまでは、夏休みに読書感想文を書くために本を一冊読む程度で、ほとんど本と関わることがなかった。

 

  大学に入学すると、皆の「読書」に対する意識の高さに驚いた。また、授業でレポートを書くにも本を読む必要があった。自分もこのまま本を読まなければ、大学生として皆についていけないことに気づき、本を読むようにしていった。これまで絶対的に読書量の少なかった私は、一冊の本を読むのにかなりの時間を必要としたが、一冊の本を読みきった時の充実感は爽快なものであった。本を読みきる充実感と、本の楽しさを同時に味わうことができるのだと分かると、少しずつだが「読書」は楽しいものだと思えてきた。

 

 5月に、Soka Book Wave のチーム対抗部門で男子寮生としてエントリーすると、さらに読書に熱が入った。寮の仲間と本の冊数を競い合って本を読んだり、友達の読んだ本を借りて読み、その本について友達と話をしたりと、今まで経験したことのない楽しさを味わえたと思う。また、私は先にも述べたように本を読むのがあまり速くないので、いかに「読書」の時間を確保するかが大切だった。できるだけ、本は手に持って歩くようにして、いつでも暇なときがあれば、本を読むように心掛けた。また、まとまった時間があるときなどは、美しいキャンパス内の木陰に座って本を読んだ。部屋の中でいすに座って本を読むよりも、外へ出て自然の空気をいっぱい吸いながら本を読むほうが、気持ちがいいし長い間集中して本を読めた。

 

 この取り組みを通して、私は「読書」の楽しみ方、時間の上手な使い方を学んだように思う。まだまだ「読書」は得意だとはいえないが、もう、「読書」が嫌いだとか自分には無理だとか思わない。時間をうまく使えば、本はいつでも読める。創立者は「自分の人生は一回きりだが、読書によって、何百、何千のほかの人生に触れることもできるし、二千年の賢者と話もできる。」(『青春対話』)と言われている。さあ、読書の秋。心にゆとりを持って、さらに読書に挑戦していきたいと思う。