本の調べ方
西村 晋(院生協議会)
私からは、大学生のための専門書の調べ方について、お話させていただきたいと思います。皆さんが図書館で専門書を必要とする場合は、授業で出されたレポートや論文の資料集めやクラブ等の展示・小冊子の作成のために利用する場合が殆どであると思います。自身で興味・関心・疑問のある事柄を調べるためにも利用できるのですが、ケースとしては前者より少ないでしょう。また、勉強はしたいが何から手をつけて良いのかわからないという方も多いようです。
特定のテーマについて図書館で調査する場合の典型的な段取りについて、つまり、本の読み方ではなく、本を読む前の調べ方を説明します。
特定のテーマについて調べる時は、図書館の検索エンジンにキーワードを入れますが、多く見受けられる間違いとして「課題となるキーワードをそのまま入力してしまい、あまり多くの資料が見つからない!」場合があります。この場合は、課題となるキーワードに関連する他の言葉を入れれば資料が見つかる場合が多いのですが、初学者の場合、関連する用語
自体がわからない事もあるでしょう。関連する用語を調べるには、その分野の辞典・事典を用いるのが一番簡単です。*学辞典等といった専門分野の辞典では、代表的な論者が挙げられている場合もあるので、そこで挙げられた論者の著書やその論者の著書の解説書を見てみるのも良いでしょう。
次に、「新しい事象について調べたいが解説した本がまだ出ていない!」という場合もあります。このような場合は、新聞の縮刷版(一階と書庫にあります)を用いたり、一階案内カウンター横のデータベース用コンピュータで検索します(過去の新聞記事の内容や雑誌の見出しなどを見つけることができます)。データベースで関連する記事が見つかれば、古いものは書庫にあるので書庫カウンターで申請してください。新しいものならば一階にありますのですぐに閲覧できます。これらの作業は初めのうちは面倒で時間もかかるでしょうが、慣れれば資料の検索は速くなります。資料の検索が慣れてくると、自分が調べたいテーマと関連する領域の本がどれか、また、利用できるレベルのものかどうかという事も本の目次や内容を少しみればわかるようになります。
また、皆さんは大学に入ったのですから、授業等で与えられた課題について調べるだけでなく、自身で関心や疑問のあることを積極的に調べてほしいと思います。真実を見極めるといっても、想いだけでできるものではありません。自身で関心のある事柄を調たい場合も、これらの資料検索のプロセスは重要になりますので、早くから身に付けていただきたいと思います。これらの事ができるようになれば、大学を卒業してからも、一生、勉強し続けられるようになります。