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大学時代の縁が大切であると思える一冊です。本書は、数学者と哲学者の対談です。二人をつなげたのは、大学時代から共通の知り合いであるという、数学者と区別が僕にはつかない、数学史家です。数学も哲学も苦手な方がこの一冊を手始めに、対話の可能性を模索することは悪くないと感じます。アリストテレスのあとにユークリッドが出て、近代には、古代ギリシアと異なる数概念が現れます。小数が発明されたのはオランダです。日本は、蘭学の伝統もあるので、今後、探究してみたいです。
算数の授業内容を子どもたちの日常生活に結びつける方法を探したいと思い本書を手に取った。「マンホールのふたは、なぜ丸い」などの素朴な疑問に数学的思考を取り入れており、子どもたちの興味関心を引き起こすのに使ってみたいと考えた。 また、九九表の規則に関しては、小学校で教える場面も多いと思われるが、十字形のヒミツや3の段+4の段は7の段になるなどの面白い関係性を知ることができたので、将来現場で使ってみたいと考えた。つるかめ算ならぬ「蜘蛛カブトムシ算」を見て理科教育と関連付けることができるのではないかという可能性を見出すこともできた。 ものを平等に分ける方法は、実際の子どもたちの生活でも応用しやすいので、数学的な思考を育てる機会を提供しやすいと考えた。
数学に関する面白いエピソードはないかと本所を手に取ったが、デカルトについて触れている章があり、その点に興味を惹かれた。デカルトは数学的な考え方によって「コギト・エルゴ・スム」という考え方を残した哲学者であるが、数学の業績も残しており、当時の知識人は幅広い分野での活躍を目指していたことが分かった。 また、パスカルについても言及されており、『パンセ』で示された「幾何学的精神」と「繊細な精神」を使って宗教的問題と科学的問題を切り離したということを改めて学びなおすことができた。 哲学的な話も多々あったので、数学が苦手な私でも億劫になることなく読むことができた。文系の学生で、数学に興味がある方にはお勧めの一冊である。
7人の数学のスペシャリストたちが、個性を大いに発揮して、様々なジャンルにおける数学の小ネタを結集しており、数学が苦手な私でも笑って読むことができた。枝豆の殻を一度も引かずに枝豆を食べきる方法は、計算もシンプルかつ実生活にも生かすことが出来そうだったので、今後機会を見計らっていきたい。文系の人でも読みやすいように、言葉遊びなども含まれており、少し数学が好きになった。 大なり小なりの覚え方などは非常に覚えやすく役に立った。受験を受ける前に知っておきたかった三角関数や面積の問題を簡単に計算する方法や公式も詰まっており、数学が苦手な人だけでなく受験生にもおすすめの一冊である。
世の中は色々な才能を持った人たちがいて初めて成り立つ。「全ての人が何もかも持つ必要はないが、少なくともきっちりと要約できる力は誰にでも必要である」としている。自身の意見を延々と語っても、一体何を伝えたいのか相手には分かってもらえないだろう。また相手は聞く気が失せてしまうはずだ。 初めから自分の考えを完璧に要約して伝えるのは難しいかもしれない。しかし、頭の中で整理し論理立てていくことで少しずつ慣れていくはずだ。これから相手に何かを伝えるときは要約を心がけ、論理力をつけていきたい。
鏡のパラドックスから始まり、様々なパラドックスが紹介されている。後半からは、無限に関するパラドックスから、無限という概念について書かれている。その後は、無限という概念から、宇宙の実態についての記述が繰り広げられる。最後に、矛盾という概念がそもそも存在しないというウィトゲンシュタインの主張で締めくくられている。全体を通して、話の内容が多岐にわたっていて、思考が飛びそうになるが、最終的には包括的にまとめられていた。多様な内容を含むが一貫性のある本だと感じた。内容は難しく、無限の概念などに関しては、理解できないところもあったが、語彙がやさしかったり、巧みな例が用いられていたので、楽しく読むことができた。
私は数字がとても苦手であるが、これからは肩の力を抜いて世の中に存在する数字と向き合いたいと本書を通して思うことができた。筆者はひとつひとつ具体的な例を交えながら根本的な問題はどこにあるのかという切り口で話を進めて行く。そのため表層的な数字を通して、その先にある根本的な事実がどこにあるのかを考える習慣を持ちたいと思うことができた。本書の読了を機に、数字の苦手意識を克服し、根本的な事実を見極めることのできる力をつけていきたいと思った。
最初にこの本を読み終わった後、自分で買っておきながらなぜもっと早くこの本を読まなかったのかと後悔した。本書で言及されている「数学的思考力」はわかりやすく実践的、且つ本質的な、今の自分そしてこれからの自分に最も必要とされているものだと確信した。そして役に立つだけでなく、面白い。まるで今まで自分の中に眠っていた知的好奇心がこの本を読むことによって覚醒させられたかのようである。今まで億劫だった「思考すること」が「最も楽しいこと」になる予感がしてならない。自分にとって、本書は思考法という分野のバイブルであり、原点である。
この世界はパラドクスが存在しています。実際はそんなことはできないはずであるが、存在してしまっている。ことわざでも「三度目の正直」とある一方で、「二度あることは三度ある」という。この本には、世界中の様々なパラドックスが載っている。個人的に面白いと思うのは、「民主主義とファシズムについてのパラドクス」である。この二つの思想は真逆の思想といっても過言ではないが、民主主義が存在したために、ヒトラーやナチス党の台頭を許してしまったという現実がある。世界に点在するパラドクスを学んでみるのは、頭の体操をしているようで面白いです。
三人の少女と「僕」が数学を通して、数学も数学以外のことも学んでいく。数学の問題がわかるということは、問題を解くということではなく、問題の本質がわかるということである。今振り返ってみると、高校までの学問は全てわかっていたつもりだったのかもしれない。ただ受験のためだけに勉強していた気がする。数学の問題一つとっても、大きな意味があるのだ。この本の中の人物は本当に楽しみながら数学している。探究しているからだ。勉強をすることとは、まさに探究なのだと彼らは教えてくれた。