今日の一書 : 2019/5/23(Thu)
『 交遊録 』
author : A. J. トインビ-著 ; 長谷川松治訳
各章で取り扱われている人物の客観的評伝を試みようとしたものでも新事実を述べようとしたものでもない。 歴史家としての職業意識を離れて、それらの人物と実際に触れた、その瞬間の印象や感想を率直に語っている所に、この本の特色があると訳者は思う。 本書の中でわれわれが対するのは、いつもの講義をするトインビーではなくて、いわば茶の間でくつろぎ、自分の歩んできた長い道を振り返ってみて、その道の上に姿を現した人びとのおもかげを、なつかしげに物語るトインビーの姿である。