2026年1月
本学文学部2年生の書評が『週刊読書人』へ掲載されました!
SBW本学文学部2年・佐通美心さんの『哲学するベートーヴェン』(伊藤貴雄著)の書評が、2025年12月19日付の書評専門紙「週刊読書人」の『書評キャンパス・大学生がススメる本』に掲載されました。
佐通さんに書評応募のきっかけや掲載された感想などを伺いました。
——掲載おめでとうございます!「書評キャンパス」に応募されたきっかけを教えてください。
私は全学読書運動Soka Book Waveを推進する団体Soka Reading Project(SRP)に所属しています。これまでに他のSRPのメンバーも「書評キャンパス」に挑戦しており、自分も応募してみたいなと思いました。
——本学文学部教授・伊藤貴雄先生(附属図書館長)の著書『哲学するベートーヴェン』を書評の対象に選ばれたのには、どのような思いがあったのでしょうか。
今回、この本を選んだ最大の理由は、著者である伊藤先生への感謝の思いにあります。
実はちょうど1年前、私が人生で最も辛い時期を過ごしていた際、私を救ってくださったのが伊藤先生でした。先生がいらっしゃらなければ、今の自分はここにいないと思うほど感謝しています。その報恩の思いを、書評という形にして少しでもお返ししたいと考えたのが、執筆の最大の理由です。
——書評を通じて、読者に最も伝えたかったことは何でしょうか。
ベートーヴェンの「苦悩を突き抜けて歓喜へ」という言葉の真意です。彼は難聴に苦しみ、遺書を書くほどの絶望の淵に立たされましたが、そこからどのように歓喜に至ったのか。その過程が本書には描かれています。この「歓喜」とは、単に苦悩を消し去ることではありません。「苦悩のただ中にあるからこそ、より大きな歓喜を得ることができる」という深い意味があります。私自身の経験とも重なる部分があり、このメッセージを強く伝えたいと思いました。また、ベートーヴェンという一人の人間の思想が、多くの無名の人々や師との出会いを通じて形成され、最高傑作である「第九」へと繋がっていく壮大さも表現したいと考えました。
——執筆はどのように進められましたか?
完成までに約2〜3ヶ月を費やし、何度も書き直しました。まず印象に残った箇所に付箋を多く貼り、それらをどう組み立てるか試行錯誤しました。実は2パターンの構成を考えていたのですが、最終的には「『宇宙』『人間』『思想』における無限のつながり」という言葉で締めたいという、自分が一番感動した思いを軸に据えることにしました。冒頭に「われらが内なる道徳法則と、われらが上なる星輝く天空!カント!!!」との引用を持ってきたのも、読者に強いインパクトを与えたかったからです。
——原稿は「週刊読書人」編集部の方に直接添削していただきましたね。どうでしたか?
「週刊読書人」の編集部の方とのやり取りも非常に勉強になりました。私は哲学が好きなので、ついカントの思想ばかりに注目して書いてしまったのですが、編集者の方から「(第九の歌詞を書いた)シラーについても触れた方が全体のバランスが良くなる」と的確なアドバイスをいただきました。また、「そして」という接続詞一つを加えるだけで文章のまとまりが劇的に変わることも教わり、プロの視点の鋭さに驚きました。内容を変えずに文字数を削る作業など、最後まで丁寧に向き合っていただけたことが嬉しかったです。
——周囲からの反響はいかがでしたか?
自分の文章が公の形になるのは初めてで、挑戦して本当に良かったです。SRPのメンバーをはじめ、親や親戚も真剣に読んでくれ、喜んでくれたことが嬉しかったです。著者であり恩師である伊藤先生からも「これがあなたのデビュー作になるんじゃない?」という温かいお言葉をいただき、大きな励みになりました。また、先生のご友人である翻訳家の方にも読んでいただけたりと、想像以上の広がりに驚いています。
——今後の抱負を教えてください。
高校時代までは本をほとんど読めていませんでしたが、大学で哲学に興味を持ってから、一冊の本の背後にある膨大な人間関係や思想の繋がりに気づき、世界が広がりました。今は「読書を極めたい」という強い思いがあります。
今回の経験を通じて得た「書く力」をさらに磨き、将来は大学院進学も視野に入れながら、学びを深めていきたいと考えています。自分の好きなことや惹かれるものを大切に、これからも世界を広げていきたいです。

(写真)文学部2年・佐通美心さん
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