今日の一書

今日の一書 : 2013年6月24日(月)

『 千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景 』

著者 : 大久保 純一

ユネスコ世界遺産委員会で、「富士山」の世界文化遺産登録が正式に決定。富士山をテーマにした詩歌や絵画は多く、中でも葛飾北斎の『富嶽百景』はおなじみだ。完成は70歳代。奥付けに北斎は「八十才にしては益々進み、九十才にして猶其奥意極め」とつづった。さならる高みを目指したのも、富士と格闘した日々あったればこそであろうか。

本書は、「自然」「構図」「場所」「旅」「営み」と、主題に即した5つの視点で46枚の全図版を分類し解説。描かれた景観に隠された北斎のねらいや、人物のしぐさ、図像について読み解く。『冨岳三十六景』が描かれた背景と、北斎の生涯・画業についてもよくわかる。

この本を借りる

2013年の一覧を表示