今日の一書 : 2015年5月18日(月)
『 旅のラゴス 』
著者 : 筒井康隆
突然高度な文明を失った代わりに、超能力を身につけた人々。その内の1人、主人公ラゴスは旅を始める。旅の目的は大それたものではなく、誰に打ち明けることもない。周囲から見れば無駄とさえ思えるようなことに、ラゴスは成人してから死ぬまでの人生を費やす。
そんな彼の旅は決して平坦ではない。時には目的を忘れそうな、長い回り道をすることもある。しかし彼は淡々と自分の道を見つめ、時には誰かを愛し、誰かと旅を共にし、努力が報われるその瞬間が訪れるのを待つ。人生の目的とは何かを深く考えたくなる1冊。