今日の一書 : 2015年6月19日(金)
『 桜桃とキリスト : もう一つの太宰治伝 』
著者 : 長部日出雄
太宰治、絶頂期から玉川上水心中までの後半生の評伝である。美知子夫人の創作活動への貢献、読みふけった聖書とキリスト教への考え方、井伏鱒二との関係などを同郷の著者が明らかにしていく。
太宰の作品をこのような評伝の読後に改めて読み直してみると、作中のせりふ一つ一つが全く違った印象に変わってくるので不思議である。
「生きるという事はたいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと血が噴出す」 ~太宰治『桜桃』より
今日、桜桃忌。