今日の一書 : 2015年6月29日(月)
『 人間の土地 』
著者 : サン=テグジュペリ
1900年6月29日フランス、リヨンの名門貴族の子弟として生まれたサン=テグジュペリ。『星の王子さま』や『夜間飛行』などの名作を残し、日本でも数多くの人に親しまれている。
今作は、彼の郵便飛行士としての初フライトの話から始まる。そして空を飛ぶ感覚、サハラ砂漠に不時着遭難し、奇蹟的な生還を遂げた時のエピソードなど、彼が飛行士として経験したことが惜しげもなく語られている。最終章「人間」で綴られているのは、それまでの経験に基づく彼の深い人生哲学である。
表紙絵・地図・あとがきは、サン=テグジュペリの作品に大きく影響を受けた、宮崎駿氏が担当。訳者である堀口大學氏は、著者について、「この書を書くには、だれよりも果敢な行動人にして、誰よりも厳しい精神を備えた人を必要とした」と語っている。美しい詩的な文を、美しさそのままに訳した世紀の名著。