今日の一書

今日の一書 : 2015年7月24日(金)

『 痴人の愛 』

著者 : 谷崎潤一郎

1886(明治19)年7月24日、東京市日本橋区蠣殻(かきがら)町(現在、中央区日本橋芳町)で生れた。祖父の久右衛門は、維新後いちはやく活版印刷業に乗出して成功した俊敏な商人で、その三女関が分家して江沢倉五郎を婿養子に迎えた。潤一郎はこの夫婦の長男である。弟に小説家・英文学者であった精二がいる。父の倉五郎は、初め洋酒店を営み、次いで点灯業、また米穀仲買商などとなったが、いずれも成功せず、家計は次第に苦しくなるばかりであった。潤一郎は早くから「神童」型の、きわだって成績のよい生徒であったが、府立一中の2年生の頃から、住込みの家庭教師として働いた。潤一郎の思い出によれば、父は「商売が下手で、損ばかりしている、何も取り柄のない男だった」が、母は町内で評判の美人で、「一枚刷りの錦絵」に描かれたこともあるという。後年の潤一郎における美女崇拝、母性憧憬(しょうけい)は、こうした幼年期に根ざすものであるらしい。 
=痴人の愛=
1924~25年発表。大正期のモダニズムに彩られたマゾヒズム文学の代表作で,不羈奔放なヒロインの名前からナオミズムという言葉が流行したほどである。

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