今日の一書 : 2015年8月10日(月)
『 芥川賞の謎を解く~全選評読破~ 』
著者 : 鵜飼 哲夫
日本一有名な文学賞「芥川賞」。
今年、創設80年を迎える芥川賞ですが、1935(昭和10)年に行われた第1回芥川賞にノミネートされたものの、落選した小説家は次のうち、誰でしょう?a.川端康成 b.芥川龍之介 c.菊池寛 d.太宰治 答えはdです最近ではお笑い芸人の又吉直樹さんの「火花」の受賞が話題になっています。普段は小説を読まないけれど「芥川賞受賞作が掲載される月刊『文藝春秋』だけは読む」という人も多いのですが、どうして芥川賞は文学の世界にとどまらず、社会的な事件にもなるのか。その秘密は、謎のベールに包まれたままの「選考会」に隠れています。石原慎太郎『太陽の季節』、大江健三郎『飼育』など日本文学の名作から、文壇の大御所たちの大ヒンシュクを買った問題作まで、歴代の受賞作を生んだ現場ではどんな議論がなされたのか。ヒントは選考委員が書き残した1400以上の「選評」にありました。
選評は「作家が自らの文学観と読みの力をかけて、他の委員である作家と議論し、真剣勝負した戦いの報告」である。全選評を完全読破した記者が、ついに謎を明かします。