今日の一書 : 2016年3月1日(火)
『 園芸家の一年 』
著者 : カレル・チャペック
少しずつ寒さが和らぎ、日ごとに増す春の暖かさに、多くの人が喜びを感じる3月。チェコの国民的作家、カレル・チャペックもまた、3月が訪れるのを待ちわびる一人でした。以下本書から、チャペックの熱い3月愛が伝わる文を抜粋。 『「ことは三月から始まる」というわけで、三月までの日数を数え、あまりにも多いのでそれから十五日引く。』 多芸な趣味人でもあったチャペックは、絵を描き、写真を撮り、さらに、並外れた植物の知識を持つ園芸家でもありました。持ち前の愛とユーモアをたっぷりに綴る園芸エッセイの金字塔。自分の庭を取り巻く環境の変化に、一喜一憂するチャペックが愛おしくなる事請け合いです。 『(ーーああ、神様、今がもう三月であってくれさえすれば‥‥。)園芸家は熱い思いとともに、じれったい気持ちで考える。』