今日の一書 : 2016年3月31日(木)
『 左近 』
著者 : 火坂雅志
“石田三成に過ぎたるもの”と称えられた戦国武将・島左近清興の知られざる生涯を描いた長編小説。大和国を治める筒井家にあって、その剛直ぶりと胆力を認められ、左近は若くして侍大将に取り立てられる。しかし、永禄2年(1559)、梟雄・松永弾正久秀が、柳生宗厳(のちの石舟斎)らを寝返らせて大和に攻め入ってきた。次々に城を落とされて筒井勢は窮地に陥り、あるじ順慶のいる筒井城も孤立してしまう。そんななかにあって、左近は松永勢を追い出すべく、ひとり気を吐くのだが……。 NHK大河ドラマ『天地人』の原作者として知られる著者は2015年2月、病気のため58歳で急逝。そのため本作が絶筆となってしまった。