今日の一書 : 2016年4月25日(月)
『 サヴォナローラ イタリア・ルネサンスの政治と宗教 』
著者 : エンツォ・グアラッツィ著 秋本典子訳
本書は後の宗教改革者たちの原動力になったとも言えるジローラモ・サヴォナローラの伝記です。
サヴォナローラはルネサンス期のフィレンツェで活躍し、ルターにより宗教改革の先駆者とも評価されたドミニコ会修道士です。
サヴォナローラはフィレンツェを支配していたメディチ家の腐敗と堕落を激しく非難し、メディチ家の最盛期を築いたロレンツォを追放させ、市民の代表に選ばれます。
彼はメディチ家の独裁政治の下で人々が腐敗した享楽生活を送っていることを批判し、市民の生活を道徳的に厳しく規制し「虚飾の焚刑」と称して美術作品や楽器を焼き払うなど厳しい神政政治を行いました。
また最も悪名の高いローマ教皇とも評されるアレクサンドル6世も徹底的に攻撃をするも、後に教皇から破門。やがて厳しい政治方針から市民からの反発も強まり、反対勢力により捕らえられて教皇の裁判により処刑されました。