今日の一書 : 2017年3月22日(水)
『 不可能を可能に : 点字の世界を駆けぬける 』
著者 : 田中 徹二
一九六七年、岡山市の三宅精一さんの考案で、世界で初めて点字ブロックが設置され今年で五十年の節目を迎えました。現在、駅のホームや歩道・横断歩道付近など、点字ブロックは、世界中多くの場所で利用されています。
著者・田中徹二さんは、点字ブロックの上に度々、放置自転車が置いてあること、自動車が停まっていることなどを指摘した上で、しかしそれでも、日本のバリアフリー対策は世界のどの国よりも進んでいると語ります。それは、ガイドラインが決まると、みんながそれをできる限り守ろうとする国民性が関係しているようです。
そこからまた一歩進んで、この場所で共に暮らす、誰もが暮らしやすい社会をつくるにはどうしたらよいでしょうか。10代末で失明した著者が綴る、視覚障害者への理解が深まるエッセイ、ぜひご一読ください。