今日の一書

今日の一書 : 2017年10月13日(金)

『 蟹工船 ・党生活者 』

著者 : 小林多喜二

小林多喜二は、明治36年10月13日、秋田県下川沿(しもかわぞえ)村(現大館(おおだて)市)の没落農家に生まれました。今日は彼の代表作『蟹工船』をご紹介します。力強く読み応えのある作品です。是非ご一読ください。
小林多喜二(たきじ)の中編小説。1929年(昭和4)5、6月『戦旗』発表。第二次世界大戦前は検閲制度による伏せ字が多く、68年(昭和43)の『定本小林多喜二全集』版でほぼ完全に復原された。北洋の蟹工船漁業で起きた事件をもとに「植民地における資本主義侵入史」をえぐろうとした。季節労働者として雇われ、国威発揚の美名のもとに悪辣(あくらつ)で残忍な搾取にさらされた未組織労働者が、自然発生的な闘いに立ち上がり階級意識に目覚める姿を描く。権力を握る「悪玉」的人間の描き方などに類型的な弱点もあるが、集団描写のみごとさと社会的、歴史的現実の把握と告発の深さ、強さにおいて、当時のプロレタリア文学の理論的、実作的水準を一挙に高めた画期的作品である。
 (ジャパンナレッジより)

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