今日の一書

今日の一書 : 2017年12月21日(木)

『 ボッコちゃん 』

著者 : 星 新一

星新一の入門書と言えばこの一冊。著者自ら選んだ50作が収録されています。さて、表題にもなっている『ボッコちゃん』という作品を少しご紹介します。
とあるバーのマスターが、女のロボットを作りました。彼女の名前はボッコちゃん。ボッコちゃんはとても美しく作られ、客は彼女目当てに毎日のようにバーへと詰めかけました。そんなある日、ボッコちゃんに恋をする一人の青年が現れましたが……。

わずかな紙幅に斬新なアイデアをちりばめ、たちまち迎える意外な結末——短編よりもさらに短い「ショートショート」といわれる形式で活躍した作家に星新一氏がいる。夢中でページをめくった方も多いだろう。多作で知られる氏は、目標だった「1001編」を達成した後年、自作の改訂作業に力を入れた。「ダイヤルを回す」は「電話をする」など、時代の経過とともに古びた表現には、徹底して手を加えた。長く読み継がれるために、若い世代や新しい読者を意識し続けたという。今月、没後20年を迎えても、なお作品の“鮮度”が落ちない理由の一つがここにある。【聖教新聞〈名字の言〉より】

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