今日の一書 : 2018年10月4日(木)
『 「都市の正義」が地方を壊す : 地方創生の隘路を抜けて 』
著者 : 山下祐介
【著者プロフィール】首都大学東京都市社会学部准教授。1969年生まれ。九州大学大学院文学研究科博士課程中退。弘前大学准教授などを経て現職。専攻は都市社会学、地域社会学、農村社会学、環境社会学。東北の地方都市と農山漁村の研究を行い、津軽学・白神学にも参加
≪内容紹介≫
地方を救うため、まず最初に行なうべきは、地方に仕事をつくること。「地方創生」はこ の方針を掲げさまざまな取り組みを行っているが、地方にはすでに仕事がある。しかもそ れは第一次産業や建設業など、日本人の日々の暮らしに必要不可欠のものだ。問題はそう した仕事の「職業威信」が低いことである。田舎の仕事は威信が低く、都会の仕事は威信が高い。そうした価値観は、いかにして醸成 されてきたのか。さらに三つの「都市の正義」——「選択と集中」「競争と淘汰」「『自分は排除の対象にはならない』という冷たい客観主義」がはらむ罠を、地域社会学者が鋭く指摘する。北海道ニセコ町、山形県飯豊町などの「地方の声」も掲載。