今日の一書 : 2019年1月22日(火)
『 ビル・エヴァンスについてのいくつかの事柄 』
著者 : 中山康樹
メロディとリズムが織りなすジャズの音色。巧みな指さばきでピアノを奏で、その綾なす音色で聴衆をうならせた希代のジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンス。しかしそのリズミカルな輝かしいピアノの音色とは裏腹に、彼の人生は暗い影に覆われていた。生前、本国アメリカではその才能を過小評価されていたこと、ドラッグに溺れ、ついに断ち切ることが出来ずに51年の短い生涯を閉じたこと…人が何かに秀でるということは、重い何かを背負うことなのだろうか。最後の最後まで、ピアノを弾くことに全霊をかけた天才。彼にとって音楽とは何だったのか。生き様とともに音楽性を紐解く一書。しかしやはり、ビル・エヴァンスを知るには彼の音楽を聴くことが何にも勝る。クールで繊細で情熱的、そんなJAZZYなひと時を過ごしてみては。