今日の一書

今日の一書 : 2019年7月17日(水)

『 宇宙に命はあるのか 』

著者 : 小野雅裕

想像してみよう。遠くの世界のことを。
想像してみよう。あなたは火星の赤い大地に立ち、青い夕日が沈むのを見ている。
想像してみよう。あなたは宇宙船の窓から「星月夜」の絵のような木星の渦を間近に見下ろしている。
想像してみよう。あなたは土星の衛星タイタンの湖岸に立っている。オレンジ色の雲から冷たいメタンの雨が降り、湖面に輪を描いている。

今、あなたの心の奥深くで何かが戦慄くのを感じなかっただろうか? 何かが囁くのが聞こえなかっただろうか? 言葉になる前の、意識にすら上る前の、何かが。
それは古い。とても古い。スプートニクよりも、コペルニクスよりも、ホメロスよりも、ストーンヘンジよりも古い。川や森や山よりも古いかもしれない。
それは寄生虫のように人から人へと伝染する。人類の集合的な心の奥底に潜り込み、人の夢を、好奇心を、欲望を見えない糸で操り、人類の歴史、運命、未来に干渉する。 それは一体、何だろう?

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