今日の一書

今日の一書 : 2019年10月9日(水)

『 『モナ・リザ』に並んだ少年: 西洋絵画の巨匠たち 』

著者 : 茂木 健一郎

フラ・アンジェリコ(1387?~1455)から、キスリング(1891~1953)まで、お
よそ600年間の西洋絵画における50人の巨匠たちそれぞれの「これぞという作品」について、茂木さんの絵画体験を交えながら紹介していきます。
ゴッホの『星月夜』を語った章の最後には、“ゴッホが生涯をかけて求めたもの。それは、人と人、人と万物との、立場や境遇の違いを超えた「触れあい」だったかもしれない。独我論の神話を超え、精神が本気で「向こう」に行こうとする時にようやく個性の「壁」は溶け、やがて普遍の宇宙が姿を顕す”とある。
このように、茂木氏の論考は優れた西洋絵画鑑賞術であると同時に、世界との向き合い方、より深く世界を理解するすべが、巨匠たちの作品を通じて、論じられます。それは、とりもなおさず、茂木健一郎氏自身が、そうした巨匠たちのきらきらと輝く個性と向き合い、心身で受けとめて、自分のものとしていく過程で獲得してきた絵の楽しみ方であり、さらに言えば、世界の愛し方にも通じます。本書の読後には、目の前の絵画が別の貌を見せ始める、そんな誘惑に満ちた一冊です。
(内容紹介より)

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