今日の一書 : 2020年8月3日(月)
『 カルロス・クライバー : ある天才指揮者の伝記 』
著者 : アレクサンダー・ヴェルナー著 喜多尾道冬・広瀬大介 訳
2008年初めにドイツで刊行された、指揮者カルロス・クライバー(1930~2004)の、おそらく初の本格的な伝記。世界が注目する天才指揮者でありながら、指揮台に立つ回数が極端に少なく、正規録音も20種程度しか残さなかったため、「クライバーがどこかのオーケストラを指揮する」というだけでも大ニュースとなり、多くのファンが彼の演奏会を待ち望むという状況が続いて、生前からその存在はまさに「神格化」されていた。本書は謎の多かったこの指揮者の生涯の足跡をできるだけ丹念にたどり、本人を直接知る人々から「クライバーの秘密」を多く聞き出すことで、その人となりを明らかにし、その芸術の源に迫った力作である。ドイツ連邦共和国元大統領リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカーによる「序文」付き。
(音楽之友社HPより)