今日の一書

今日の一書 : 2020年10月8日(木)

『 ネルソン・マンデラ : その世界と魂の記録 』

著者 : ロジャー・フリードマン著 ; ベニー・グール写真 ; 金原瑞人訳 ; 松浦直美訳

ネルソン・マンデラは、きわめて独創的な計画をえがき、一国の魂を蘇らせようとした稀有な政治家である。自ら率先して人は寛大になれることを示せば、南アフリカ国民は(そして世界は)彼のあとに続くという信念はゆるぎなかった。思いやりと分かち合いが搾取と不平等にとってかわり、経済制裁の解除と海外からの投資によって雇用が生まれ、正義と尊厳が重んじられる世界をもとめた。 マンデラの人生のすべてが、このときのために彼をつくりあげてきたのに、与えられた時間はあまりにも短かった。27年におよぶ獄中生活を耐えて自由を勝ち取ったが、わずか5年、国を統率したのちに79歳で大統領の職を離れた。やりはじめたことの行方を見届けることはかなわなかったのだ。 ベニー・グールとロジャー・フリードマンは、マンデラの死の直前まで、彼のすぐ近くでジャーナリストとしての仕事を続けた。本書に収められたグールの写真の多くは、これが初公開となる。 20世紀の良心を代表するネルソン・マンデラ。その遺産を振り返るのに格好の1冊。

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