今日の一書 : 2021年4月6日(火)
『 幸福な死 』
著者 : カミュ
四月だった。それはきらきらと輝く、冷たい美しい春の朝だった——。不条理をテーマとしたカミュの代表作『異邦人』へと繋がる貴重な作品。
アルジェの平凡な青年メルソーは、富裕な不具者ザグルーの“時間は金で購われる"という主張に従い、彼を殺害し金を奪う。そして《世界をのぞむ家》で三人の女との共同生活に至福の時を見出したのち、孤独の中で幸福な死を迎える——。
カミュにとって最初のロマネスクな企てであり、若い感性と不条理の哲学の生成を示すこの長編小説は、『異邦人』生誕の秘密を解き明かす貴重な作品である。用語、背景などについての詳細な注解、および作品解説を付した。
(「BOOK」データベースより)