今日の一書 : 2023年7月4日(火)
『 犬は「びよ」と鳴いていた : 日本語は擬音語・擬態語が面白い 』
著者 : 山口仲美
内容(「BOOK」データベースより)
「私が一番最初にひっかかったのは、平安時代の『大鏡』に出てくる犬の声です。「ひよ」って書いてある。頭注にも、「犬の声か」と記してあるだけなのです。私たちは、犬の声は「わん」だとばかり思っていますから、「ひよ」と書かれていてもにわかには信じられない。雛じゃあるまいし、「ひよ」なんて犬が鳴くかって思う。でも、気になる。これが、私が擬音語・擬態語に興味をもったきっかけでした。」—英語の三倍・一二〇〇種類にも及ぶという日本語の「名脇役」擬音語・擬態語の歴史と謎を、研究の第一人者が興味深く解き明かす。
著者について
山口仲美(やまぐちなかみ)
1943年静岡県生まれ。埼玉大学教養学部教授。文学博士。お茶の水女子大学文教育学部国語国文学科卒。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。著書に、『平安文学の文体の研究』(明治書院)、『ちんちん千鳥のなく声は・日本人が聴いた鳥の声・』(大修館書店)、『「源氏物語」を楽しむ・恋のかけひき・』『平安朝“元気印﨟列伝』(ともに丸善)、『平安朝の言葉と文体』(風間書房)などがある。