『 Ｍ．Ｋ．ガンディーの真理と非暴力をめぐる言説史 : ヘンリー・ソロー、Ｒ．Ｋ．ナラヤン、Ｖ．Ｓ．ナイポール、映画『ガンジー』を通して 』

著者 ： 加瀬佳代子

本書は、ガンディーが書き残した文章や、ガンディーを取り上げた英文学および映画を分析し、彼の名と切っても切り離すことのできない「非暴力」の思想を批判的に考察することを目的としている。

ガンディー以降「非暴力」が理想であり続けることができたのは、「非暴力」に「暴力」の問題を解消する力がなかったからだといってもいい。
しかし、「非暴力」の非力さを指摘するだけでは、その本格的な批判は成り立たないだろう。「非暴力」に対して、その名に値する批判を行うためには、その甘美な言説に隠された欠陥を掘り起こし、それを可能な限り明確に示さなければならない。
(はじめに　より抜粋）