『 怒りの葡萄 』

著者 ： ジョン・スタインベック著　大久保康夫訳

　オクラホマの大平原を猛烈な砂嵐が吹き荒れ、耕地は一夜にして荒野と化す。血と汗で開墾した土地を、天災と大資本とに奪われた農民たちは、カルフォルニアを目指して、死活を賭けた大進行を開始する…。
　ジョード一家に焦点をすえて、30年代アメリカの歴史的状況と、その中に生きる民衆の姿とを描き、旧約聖書の「出エジプト記」にも比べられる格式高い大叙事詩である。
　本書より