今日の一書

今日の一書 : 2025年3月6日(木)

『 隠れ家と広場 ー移民都市アムステルダムのユダヤ人ー 』

著者 : 水島 治郎

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アンネ・フランクとスピノザは、ともに迫害されて故国を離れ、アムステルダムにたどり着いた移民二世だった。世界から人々を引きつけるこのグローバル都市は、すでに400年にわたって移民や難民を受け入れてきた「寛容」な街だ。とくにユダヤ人の受容では、西欧でも有数の規模を誇る。そして街の随所にある広場は、市民の日常生活の場であると同時に、移り住んだばかりの新参者にとっても、都市社会になじみ、人と繋がる重要な空間だった。アンネも引っ越してから8年間、思いっきり広場で友だちと遊んでいた。
しかし1940年、ナチ・ドイツが侵攻してユダヤ人迫害がはじまると、アンネ一家のように隠れ家に潜んだ人たちもいたが、最終的にはオランダから10万人を超えるユダヤ人がアウシュヴィッツなど強制収容所に送られ、その多くが死亡した。
他方アムステルダムでは、保育士、大学生、法律家などさまざまな人々が、命がけでユダヤ人を支援するレジスタンス活動に加わった。現在、世界のあちこちで戦火は絶えず、難民が増えつづけている。日本にとっても、この街の経験は示唆的だろう。
なお、アンネとオードリー・ヘプバーンは同い年。このふたりの人生は、意外なかたちで交差する。戦争に翻弄されるなかで、いくつもの物語が生まれた。
第36回和辻哲郎文化賞最終候補作。
(出版社HPより)

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