今日の一書

今日の一書 : 2024年7月24日(水)

『 ワイルドランド 』

著者 : エヴァン・オズノス著/笠井亮平訳

2013年、米主要紙誌の特派員として十年に及ぶ
海外生活から帰国した著者は、熟知していたはずの
祖国アメリカが大きく変貌してしまったことに驚愕した。
自分が浦島太郎になったかのような感覚を
覚えるほどに、そこかしこで変化が起きていたのだ。
その変化をもたらしたものは何なのか。
トランプを大統領にまで押し上げたうねりの源は
どこにあるのか。混沌の中から何か新しいものが
生み出されようとしているのか。
それを突き止めようと取材を開始する。
著者は、自分の人生で大きな関わりを持つ三つの
場所(コネティカット州グリニッジ、ウェストヴァージニア
州クラークスバーグ、イリノイ州シカゴ)を再訪する。
取材対象は医師からヘッジファンド業界に転身するも
インサイダー取引で犯罪者になったかつてのエリート
に始まり、兵役を終えて帰国するも精神を病み殺人を
犯してしまう元海兵隊員まで多岐に及んだ。
彼らの人生の軌跡をたどることで、アメリカに「分断」
や「怒り」をもたらした生々しい現実が浮き彫りになる。
「トランプ再来」に揺れるアメリカを理解するうえで
重要な視座を提供する傑作ノンフィクション。

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