卒論の息抜きに読んだ本・パート2。史料批判と解釈とは何か。また歴史書と歴史小説はどのような点において異なるのか。さらにまた、歴史学は社会的有用性を持っているのか。そして歴史学の研究成果は、中学や高校の歴史教科書にどのように反映されているのか。こういった事柄について、歴史学を専攻していない人たちに平明に説明したのが本書である。 本書は、歴史学を初めて学ぶ人にとっては新しい発見があると思われるが、すでに専門的に勉強している人にとってはどこか物足りなさが残るのではないだろうか。本書を繰り返し何度も読むよりも、巻末の「推薦文献リスト」にあるE・H・カーやリュシアン・フェーブルの本に進むべきであろう。
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