この本では、表題である「なぜ人を殺してはいけないのか」を含め、「自殺は許されない行為か」、「他人に迷惑をかけなければ何をやってもよいのか」等の10個の難問を設定している。これらの中で、私が最も関心を持ったのは、第一問の「人は何のために生きるのか」という問いであった。おもしろいと感じたのは、「人は何のために生きるのか」という人生そのものに意味や目的を見出そうとする問いのうちには、「人はいかにすれば自分の生を充足させることができるのかを知りたいという動機がひそんでいる」ということであった。「なんで生きているのか」と思ったことは誰もが経験したことではないだろうか。その答えは用意されているものではなく、自分の生の意味や目的は自分で作っていかなければならない。これからの人生を充足したものにするために、私も模索していきたいと思った。
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