ヘーゲルの思想は難解で、もはや何を言いたいのか読んでいて理解に追いつきませんでしたが、「精神の発展こそが世界史そのものである」と主張しているように感じました。ヘーゲルは、人間の精神的な進歩は中国からスタートし、西ヨーロッパでゴールすると示唆しています。中国では皇帝に服従し、隷従することが社会的な秩序であるのに対し、ドイツやイギリスなどのヨーロッパでは、自分の考えを自由に発言することができるため、人類の精神が最も進歩したのは西欧であると主張していました。 本書は、序論、東洋史、西洋史の3部構成になっています。後半の世界史分野は、その当時の偏見が露骨に記述されているため、歴史的事実とはだいぶ食い違っているように思えました。 しかし、序論ではヘーゲル独自の思想体系を知ることができるため、哲学を勉強している方には本書をおすすめしたいと思います。
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