本書を読もうと思ったきっかけは、“スパイ×音楽”小説というキャッチコピーに魅力を感じたからです。 主人公は全著連という楽曲の著作権について取り決める会社の社員で、上司から裁判に必要な証拠を集めるために音楽教室への潜入を命じられるところから物語は始まります。 主人公は音楽教室に潜入する中でチェロを習います。 本書には、主人公や先生がチェロを弾く場面が度々あります。 私は文章だけでここまで音の深みや、登場人物たちが音に込めた表現などが鮮明に伝わってくることに驚愕しました。 また、音楽の表現だけではなく、感情の表現も美しくて著者の文章力にとても感銘を受けました。特にポジティブな感情とネガティブな感情の描写の対比が素晴らしいです。 かなり前から本書を読もうと思っていて、ようやく時間を作ることができました。何度も読み返したい作品です。
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