本書は、中学時代の同級生である「真緒」と10年ぶりに再会した「僕」を描いた恋愛小説である。 甘いラブストーリーが続いているかと思えば、真緒が抱えるある秘密が見え隠れするたびに、二人の未来はどうなるのだろうとハラハラして目が離せなかった。真緒の天真爛漫で気まぐれで愛される性格が前半で全面に押し出されていた分、後半で秘密が明らかになる緊張感が強まっていると感じた。そのほっこりする甘さと緊張と最後のクスッとする緩和のバランスによって、本書には単なる恋愛小説に留まらない魅力があるように思った。 また、本作中には真緒が「素敵じゃないか」(ザ・ビーチ・ボーイズ)を鼻歌で歌う場面が複数あり、この曲の明るい曲調が現されている。真緒が好きだというこの曲の描写を通して、作中に全体的に明るくて温かい、正に「陽だまり」の雰囲気が増しているように感じた。
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