本書は、著者が祖母から教わった編み物の極意と、世界中の編み物を担ってきた女性たちの歴史を、自身の体験と共に綴ったエッセイだ。 夫の裏切りにより人生の岐路に立たされた著者。彼女を救ったのは、祖母の言葉や周囲の人の支え、そして「編み物」と向き合う時間であった。 人生の間違いは、そのまま編み進めても直せるものなのか、それとも一度ほどき再び編み直す必要があるのか、私たちは判断し解決しなければならない。さもなければ、間違えた部分が目立ち、放置すればするほど、ほどかなければならない部分が増えてしまう。優れた編み手は、大きな間違いを犯しても、自分の作業をほどき修復する勇気を持つのだ。著者は、「針と糸が手の中にあり、後戻りしたり、やり直す勇気が心にありさえすれば、何だって直すことができるのだ」という。 本書は、「編み物とは人生そのものである」というメッセージを読者に届け、勇気を与える。読後、新たな人生観が芽生えるであろう一冊だ。
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