『赤毛のアン』は、時を超え世界中で読み継がれる言わずと知れた名作だ。孤児院で育ったアンは、どんな不幸のなかにいようとも、持ち前の想像力で世界を彩って前向きに生きてきた。すぐ空想にふけってしまい、話し始めたら止まらないアンを、人々は「変わった子」と見て煙たがる。そんな彼らも、だんだんとアンの不思議な魅力に惹きつけられ、彼女を好きになっていく。私は『赤毛のアン』に詰め込まれた「とっておき」に溢れる毎日が大好きだ。部屋の窓から見える、グリーン・ゲイブルズの緑豊かな景色、優しくそよぐ風に温かく降り注ぐ太陽、マリラが作るあんずの砂糖漬け、そんなアンの「とっておき」に胸が高鳴る。自分の見た目や性格に劣等感を抱え、何度も失敗しては落ち込んでしまうけれど、少女はときめく心を忘れずに、少しずつ成長していく。家族や友達を大切に、かけがえのない一日の喜びを愛し、素直な心のまま生きていきたいと思える、そんな一冊であった。
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