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2025年7月

<開催レポート>「読書人カレッジ」を開催しました!

SBW
6月20日(金)、書評家・作家の渡辺祐真(スケザネ)氏を講師に迎え、中央図書館1階ラーニング・コモンズにて「読書人カレッジ」(※)を開催しました。
渡辺氏は「誰かに届けるための発信術・読書術」とのテーマのもと、文章の種類・執筆の手順・2025年からの文章術について講演しました。
 
最初に、あらゆる言語に存在する二つの主要な文章パターン「文体」(①長く、易しい、動詞が中心の文体・②短く、難しい、名詞が中心の文体)を紹介し、文章を書く際には、TPOに応じて、これら2つの文体を使い分ける必要があると説明しました。
 
続いて、文章作成の具体的な手順として「構想」「執筆」「チェック」「完成」の4ステップが提示され、中でも最初の「構想」が最も大切であり、「問いを立てること」と「分割すること」が鍵になることを強調しました。
さらに、「誰に伝えるか」を深く考えることも重要であり、そして「最も伝えたい結論を先に設定し、その理解に必要な前提情報を逆算して構成を組み立てることで、論理的で説得力のある文章が書ける」と語りました。
 
講演の中盤、渡辺氏は「これまでのプレゼンテーションに違和感はありませんでしたか?」と参加者へ問いかけました。
実は、前半のスライドはすべて人力で作成され、後半は生成AIを活用して作られていたのです。
この種明かしを通じて、生成AIの利便性と限界について具体例を交えながら解説し、「生成AI時代を生き抜くには、AIを使いこなす知識と判断力、そして自らの頭で考える力が不可欠である」と述べました。

 
<講演会の様子>

質疑応答では、事前に寄せられた多くの質問に丁寧に回答いただきました。読書・鑑賞の深め方や、生成AIを活用した仕事術など、実践的なアドバイスが多数紹介されました。
 
参加者からは以下のような感想が寄せられました。
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とても楽しい講演でした!文章について説明しながらスライドに仕掛けがあったり、一つ一つの説明に使う語彙がとてもおもしろくて1時間半が一瞬に感じました。渡辺さんのお話から読書へのモチベーションがとても上がったので、読書を楽しみながら自分の文章力が向上できるよう頑張ろうと思います。
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スケザネさんの気取っていない話し方に引き込まれて、時間があっという間に過ぎてしまいました。主張を明確に伝えるには、どんな手順を踏んで、場面によってどんな言葉を使えばいいのか、理解することができました。
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講座のスライドをはじめて見たときの違和感がその後の話に繋がっていくという構成が非常に面白かったです。読み手のことを考えながら書くということは、日々の授業の課題や就職活動、創作活動、部活動、ビジネスコンテストなど、幅広い分野で応用できるものだと感じました。また、生成AIで便利になっていくからこそ、現在の技術では制御できない部分に関して自分自身の頭を使って価値をつくっていく重要性を感じました。
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<運営に携わったSoka Reading Projectのメンバーと写真を撮っていただきました!>
  
※「読書人カレッジ」は2021年度から株式会社読書人と日本財団が共同で始めた取り組みで、大学生に向けて本を読むことや思考することの大切さを伝え、学生を本の世界へ誘う手助けを行うことを目的に、大学生の読書推進活動として、作家や研究者、書評家の方々が、各大学で「読書」に関する講義を行う企画です。
 
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